淡味成道
和菓子はもとより、精進料理に代表されるように、昔から日本人の食生活は禅宗文化に深い影響をうけてまいりました。
鎌倉時代、道元禅師は禅院の規律や心得を沢山説かれておりますが、その中に「典座教訓」という、講話がございます。典座とは賄い方、今でいう台所にあたるところのことです。
「典座教訓」の中で、道元禅師はまず六味に精進することを説かれています。六味とは、酸味、鹹味(塩)、苦味、甜味(甘)、辛味という基本的な5つの味にもう1つ、淡味です。淡味とは、言わば素材の特徴や風味、旨み、素材そのものを最大限に活かした味ということでございます。
さらに道元禅師は、六味、取りわけ淡味に精通するに大事な事は、日常、常日頃、工夫辯道の菩薩心こそ忘れてはならぬとものであると諭されております。
私ども、風乃菓「籠もよ」では、季節の移ろいを風にたずねつつ、淡味こそ極めるべき菓の道と心得、精進してまいる所存でございますれば、末永きご愛食のほどよろしくお願い申し上げます。
店主敬白
店舗紹介
風乃菓 籠もよ 本店
風乃菓 籠もよ 岡山天満屋店